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「がんばってください」

この言葉を、被災者に一度だけ吐いたことがある
あれは3月下旬だった。どう声をかけていいかわからず考えもしないで発したもの。
避難所で笑顔と涙の混じった「人」に対する言葉は、我ながら、なんとも。。

全国からの子供たちへの応援メッセージをみていると、がんばってがとても多い
無難な言葉かもしれないが、被災地の子供たちの口癖「がんばる」や「大槌は負けない」を聞いていると、
たしかに頑張らなくちゃいけないのだし、なんて健気なんだと思う反面、そのまま素通りしていい言葉だとはどうしても思えない
それに気づきはじめた大人は、もうがんばってとは言わなくなっていた

いままで言えなかったなにかを晴らすように、全壊した町内4小学校の合同マラソン大会では、沿道からがんばってと声をあげる保護者が大勢みえた
4校合同の仮設校舎と、そんな保護者たちをみて、俺にはなにができるのかもう一度考えた

個人ではあるが、個人だからこそできることがある
ひとりのときは、いつも予定を決めないで現地へむかう
予定なんて決めなくても、動くことは山ほどある

朝、小学校で児童たちに会ったあと、いつも世話になっている神社へ
神社の神主が過労のため倒れて救急車で運ばれたのがちょうど一ヶ月前
100人を抱える5ヶ月に及ぶ避難所長としての疲れがいまになって現れたのだろう
もう退院していて、いつもの笑顔で出迎えてくれた

300年の神社の歴史は、避難所としての歴史
ご先祖がここで炊き出しをしたという、そこだけ土の色が違う地面を回想しながら、神主は、いままで世話になった全国の方になんとしてもお礼がしたいという
天然マツタケを20件に送ったらしいがあと10件、なんとしても今年中に送りたいといった

マツタケの時期はとっくに終わっていたが、寝不足で混沌とした意識の中、山へ出かける
まるで縁の行者のごとく道なき道をかけあがる
そんなことを三日間
マツタケは一本もなかった
本当の目的は、マツタケだったのだろうか

稲荷神社のシンボルは、逆三つ巴
これは修験道を意味するとも言われている
密教、とくに真言宗に通じる修験道は、山を歩いて霊験を得る修行法だ

わずか数日だが和歌山で修験者として経験のあった俺は、山へ登る意図を理解していた
病み上がりの神主を置き去りに上に上に登っていく
すると、おーい、そんな早く歩いたらマツタケみつからねえべと下から声
そこにある木を避けないでまっすぐ登る
肩にあたる大木、枝でズボンに穴があく
町全体が壊滅したとは思えないほど、山はなんの変哲もない山だった


昼になり一旦神社に戻り、ひとり亡者の供養に出かける
地元の若者、タクシーの運転手、多くのひとから霊の話を聞いていた
岩手だけでもまだ1400人の不明者がいる
無念だろう。
いまも警察が不明者捜索を頑張っておられるが、人間のDNAは骨からは検出されない
海の中に骨があろうとそれは誰でもないのだ

亡者を手伝えることは限られる
密教の結界印はあえて結ばず御供養をした
俺には結界の意味がわからない
その日は北日本独特の「暖かい日」だったのに、真言を唱えている最中、何度か霊気というか、一瞬体が急に冷えた。同時に頭痛がきた

遺体安置所だった中学校の体育館と、グランドに集められた廃車群との間の供養は頭痛が酷かった
そこは霊の目撃情報が絶えないところだ

俺は坊様じゃないから、さとし方も素人
般若心経、不動明王真言、光明真言を数珠の数だけ唱える
その合間、素人だからこそ言える「言葉」があった
「津波で亡くなったみなさん、いま頑張って生きている人たちが皆さんのこと成仏していないんじゃないかと心配しています」
「どうか、心配しなくても大丈夫。成仏してやってください。成仏してください。次に行きましょう」
「俺はいま、良いことしました。みなさんに分けますから、持って帰って」

心と言うより、体が大変になるから本来プロに任せたほうがいいのだが、ボランティアも限られているから、やれることをやるだけ
最後の言葉に「無意識でもがんばれます。どうか成仏にむけて頑張ってください」と、この言葉ですっかり頭痛が消えるときもあった。いまの俺は霊験をほとんど持っていなかったから神主にこれでもかと山を歩かせてもらって本当に感謝している

生きている人に、あえて掛けない「がんばって」を、亡者にむけては何度も何度も言った
そしてマラソン大会でも。

どんな魂でも頑張らないといけない

今回、俺は頑張った。
みんな頑張っていた。

実践こそ最大にして唯一の有益だと自分をさとしながら、東北道をひたすら南下した


支援者のみなさんいつもありがとうございます。


http://shizuoka-kokoro.petit.cc/




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2011/12/06(Tue) 06:53 |   |  #[ 編集]
Re: ...残念です
名無し様

ご指導をありがとうございます。
自分が避難所で接した被災者の方に、一度だけなにも考えず頑張ってと発したことがあります。後悔しました。なぜなら皆さんはもう精一杯頑張っているからです。
被災地の子ども達の口癖「頑張る!」

いま頑張るのは名無しさんやおれを含めた被災地以外の人ですから、すこしの負担にならないためにも頑張っては描いてほしくないと伝えました。
逆におれたち地域民も頑張りますって描くのはいいと思いますが。
被災地にはいろんなメッセージボードが飾られています。がんばってが非常に多いです。

たくさんの小学生からボードや、バイクにメッセージを描いてもらいました。感謝しています。
多くの子が瞬時にメッセージを描いていました。
では一瞬で描けるものなのか。
経験上、被災者に簡単に頑張ってと描けないと思っています。
2012/01/07(Sat) 17:06 | URL  | masatora #-[ 編集]
ありがとうございます。

私のような者の言葉に耳を傾けてくださったこと、また、ご丁寧にお返事くださったこと、本当にありがたく思います。

青山さんの心、ちゃんと伝わっています。

言葉の使い方によっては、人を傷つけてしまうことがありますよね。それを感じて、使わない思いやり。

本来の意味あいとは、違った受け取られ方をすることがある、、、発した本人の思いもよらない方向へ一人歩きすることがある、、、それが言葉の難しいところですね。

だからこそ、人は相手の立場に立って気持ちを考えて、言葉を慎重に選んで使わなければいけませんね。



人と人の間には、繋がりやすさと、壊れやすさの両方が兼ね備えられていると、そう思いませんか?

一度繋がった人なら、少しくらい雑に相手しても大丈夫なんて、そんなことはありませんよね。
自分と考えが違ったからと、相手を否定していいということもありませんよね。


百人いれば百通りの思いがある、考えがある。




相手の立場にたって、物事を考えることのできる青山さんにだからこそ、あえて前回コメントをさせていただきました。

青山さんならきっと、一つの視点だけでなく、違う視点からも物事をみてくださるのではないかと、私はそう思ったのです。
見かけで判断しないでくださいと、お話ししてくださった青山さんならと。

私の思った通り、耳を傾けてくださって、それについて考えてくださったのだと、お返事を見て感じました。


沢山の方と接する機会がお有りになる青山さんには、広い視野で、できるだけ多くの方の意見を聞き入れる柔軟さをもっていていただきたいです。
100人中99人が笑ってくれれば、1人は泣いていても仕方ない、、、
そうやって通りすごすのではない青山さんであっていただきたいです。





小さなお子さんが、覚えたてなのでしょう平仮名を一生懸命ひろって読んでいました。
沢山のメッセージの中から、難しい漢字をとばしながら。

「、、、がんばって、、、しよう。、、、ます、、、がんばろう。」

誰かがとばしていった言葉も、誰かは受け取っているのかもしれない。

そう、気づかせてくれたあのお子さんに、私はとても感謝しています。

同じように、ご自身の目を通して被災地の様子を伝えてくださる青山さんにも、心より感謝しています。

私が今何をすべきか、それを考える機会を与えてくださった青山さん
の活動は、きっともっと沢山の方の心もうごかせると思います。

わかってくれる人だけわかってくれればいいと、あきらめめないでくださいね。

ご自身や大切なものを犠牲にして与えた幸せは、結果幸せとは言えないのですから、青山さんご自身や支えてくださる方がまず幸せであって欲しいと、願っております。

2012/01/31(Tue) 11:00 | URL  |  #-[ 編集]
名無し様

アドバイス大変感謝しております!
大人になると中々アドバイスを受けられないので貴重です。

相手を思いやることを忘れず多角的視点でいつも居られるよう精進します。

今夜から大槌町に行ってきます。
小学生のメッセージを持参して仮設校舎に行ってきます。友達になってくれた大槌のみなさんに会えるのが一番の楽しみです。

またお気づきの点など有りましたら是非、指導をお願いできたら嬉しいです。
聞く耳と改善能力がある限り向上心は胸の中心です。
いつも、ありがとうございます!

青山真虎
2012/02/14(Tue) 17:22 | URL  |  #-[ 編集]
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